リスティング広告を運用する上で、
1つの広告グループに何個の広告文を用意すべきかは重要な課題です。
広告文の数が多いと、効果的に管理することができず、
広告表示頻度が下がってしまう可能性があります。
一方で、広告文が少なすぎると、
複数のターゲットに対応できなくなってしまうため、
効果的な運用ができなくなってしまいます。
それでは1つの広告グループにいくつの広告を稼働させるべきでしょうか?
このページでは
1つの広告グループに何個の広告が最適化について
広告運用10年のプロの目線から語っていきます。
そもそも3つまでしかONにできない
まず、
そもそも論なのですが
現在、Google広告では
規約として
1つの広告グループに3つのレスポンシブ検索広告までしかONにできません。
つまり
5個や10個の広告文を
1つの広告グループで稼働させたくても
現実問題、不可能なのです。
ただ
「1つの広告グループに3つの広告までONにできる」
という点について
以下の3つを注意してください。
レスポンシブ検索広告だから様々なパターンが掲載される
「1つの広告グループに3つの広告までONにできる」
という話をした際に
まず、気になるのが
「えっ、3つまでなの少なすぎない?」
と
思うかもしれませんが心配ありません。
なぜなら
レスポンシブ検索広告の場合
登録している広告文が組み合わされて
様々なパターンが表示されるからです。
もし
1つのレスポンシブ検索広告に
15個のタイトルと4個の説明文が入っていた場合
理論上
タイトル3つ、説明文2つが掲載される場合
15×14×13×4×2
タイトル2つ、説明文2つが掲載される場合
15×14×4×2
タイトル3つ、説明文1つが掲載される場合
15×14×13×4
タイトル2つ、説明文1つが掲載される場合
15×14×4
で
合計35280通りの広告文が表示される可能性があります。
もちろん、
これは理論上の話で
検索語句に応じて
レスポンシブ検索広告で表示されるタイトルが自動で選ばれるため
そこまで多くはないでしょう。
ただ
仮に
その全通りの0.1%のパターンが表示されたとしても
35通りの広告文が表示されることになります。
つまり
1つのレスポンシブ検索広告を登録しておけば
35パターンの広告文が表示されることになるため
1つのレスポンシブ検索広告で
様々なパターンの広告文を試すことができます。
それを考えると
1つの広告グループに
3つのレスポンシブ検索広告を登録しておくと
100パターン程度の広告文のパターンが
表示される可能性があります。
ですので
3つしかレスポンシブ検索広告を登録できないから
数が少ないかも
と思うのは
大きな勘違いですので
この点はまず意識してください。
基本的な計算として
オフの広告はいくらあっても問題ない
次に
注意してほしいのが
「ONにできる数が3つまで」ですので
有効になっている3つの広告文のほかに
停止中のレスポンシブ検索広告がいくつあっても問題ありません。
ですので
すでに3つあるから
新たなレスポンシブ検索広告を追加できない
というわけではなく
その3つのうち、どれかをオフにして
有効な広告文の数を減らすことができれば
新たに広告文を作成することも可能であることは
覚えておいてください。
拡張テキスト広告はカウントに入らない
現在はレスポンシブ検索広告のみ作成や編集ができますが
2022年6月までは拡張テキスト広告という形式の広告が作成できました。
ですので
2022年6月以前より広告を運用している方は
広告グループでまだ拡張テキスト広告が有効になっているかもしれません。
その際に注意してほしいのが
「1つの広告グループに3つのレスポンシブ検索広告までONにできる」
の
3の広告の中には
拡張テキスト広告の個数は含まれません。
なので
極端な話
1つの広告グループに100個の拡張テキスト広告が存在していても
新たに3つまではレスポンシブ検索広告を作成できるということです。
ですので
拡張テキスト広告の個数は
1つの広告グループにONにできる3つの広告文の
カウントに入らないことを注意してください。
いくつのレスポンシブ検索広告をONにすべき?
以上が
そもそものレスポンシブ検索広告についてのルールの説明です。
それでは
1つの広告グループに
最大個数である3つのレスポンシブ検索広告を稼働させるべきでしょうか?
個人的には
3つすべてを使う必要がないケースが多いと思っています。
なぜなら
さっきも伝えた通り
1つのレスポンシブ検索広告を登録しておくだけでも
様々なパターンの広告文を試すことができるので
そこまで多くのレスポンシブ検索広告を追加する必要がないからです。
また機械学習の最小単位は
広告文単位で学習がされますので
1つの広告グループに複数の広告を追加することで
データが複数の広告に分散されるリスクがあります。
そのため
使う必要がないのであれば
1つの広告グループに
1つのレスポンシブ検索広告だけ設定しておけばよいと思います。
複数のレスポンシブ検索広告を稼働すべきケース
なので
基本的には
1つの広告グループに
1つのレスポンシブ検索広告で問題ないのですが
以下の場合は
1つの広告グループに複数のレスポンシブ検索広告を
入れる場合もあります。
全く違うパターンの広告文をテストしたいケース
まず考えられるのが
訴求点を全く変えて広告文をテストをしたいケースです。
というのも
1つのレスポンシブ検索広告に
複数の訴求が入っている場合
それぞれの訴求の反応がどうだったのかは
現状、一目ではわからず
ルッカ―スタジオ(旧データポータル)で
各アセットごとの反応をチェックするしか方法がありません。
ですが
これは
初期設定が必要で
初心者が簡単にチェックできるわけではありません。
ですので
そういう場合は
レスポンシブ検索広告Aでは
お得訴求
レスポンシブ検索広告Bでは
品質訴求
という形で
全く訴求を変えた広告文を作ってみて
どちらが反応が良いのかを
同時に動かして試してみる
ということもできます。
こうすることで
1つの広告グループに
複数のレスポンシブ検索広告を入れておく意味がある
広告運用になっていると思います。
属性ごとに広告文を使い分けたいケース
また
訴求ではなく
ターゲットを分けた運用をしたい場合も
広告文を複数用意することが有効です。
この方法は
主に
ターゲット用にLPを用意している場合に
よくやる手法です。
たとえば
キッチンの販売会社をやっていたとして
・アイランドキッチン用のLP
・システムキッチン用のLP
の2つがあるとします。
その際に
アイランドキッチンの訴求を入れた広告文
レスポンシブ検索広告A
(LPはアイランドキッチン用のLP)
システムキッチンの訴求を入れた広告文
レスポンシブ検索広告B
(LPはシステムキッチン用のLP)
という形で
2つの広告文を用意することで
ユーザーの検索語句に応じて
LPや訴求を使い分けることも可能です。
このような手法は
1つの広告グループに
1つのレスポンシブ検索広告では
実現できませんので
複数のレスポンシブ検索広告が
1つの広告グループに必要です。
固定した訴求で試したいケース
レスポンシブ検索広告、
様々なパターンの広告文を試すことができる
というメリットがあるのですが
その一方で
ランダムで広告が組み合わされるので
こちらが狙った訴求で広告が表示されない
という
デメリットがあります。
そのため
こちらが狙った順番・内容で
広告を表示するには
レスポンシブ検索広告で
タイトルや説明文の1行目、2行目を固定して
表示するという形をとることがあります。
そうすることで
広告の表示回数は
通常のレスポンシブ検索広告よりは少なくなるものの
こちらが狙った通りに広告を表示されるため
レスポンシブ検索広告のデメリットをカバーできます。
ですので
このように
通常のレスポンシブ検索広告とは別に
こちらが狙った表示順で広告を表示するための
レスポンシブ検索広告で表示順を固定した
レスポンシブ検索広告を用意するということも
広告運用ではよくやる手法です。
まとめ
以上が
1つの広告グループにいくつの広告文を用意すべきか
という質問に対する回答になります。
まとめると
- 現状、1つの広告グループに3つのレスポンシブ検索広告までしかONにできない
- 1つのレスポンシブ検索広告を登録しておくだけでも、様々なパターンの広告文を試すことができる
- そのため、何も意図や戦略がない場合は1つの広告グループに1つの広告で十分
- ただ、テスト目的やターゲット&LPを変えたい時などは複数のレスポンシブ検索広告を併用することもあり
という形になります。
このあたりは
広告運用をしていくことで
実際に最適な個数は変わってくると思いますので
ぜひ広告を配信しながら
ご自身でベストな個数を見つけてくださいね。