リスティング広告で複数ドメインを1つのアカウントで運用できる?

複数サイトを運用しているときに
「2つ以上のドメインを運用するときに
アカウントを分けるのが面倒だから1つのアカウントで複数ドメインを運用したい」
ということ、思ったことありませんか?

そこでこの記事では
リスティング広告で複数ドメインを1つのアカウントで運用することができるのか、
どんなメリットやデメリットがあるのかお伝えします。

1つのアカウントで複数ドメインを運用することは可能。

まず、結論から言うと、
リスティング広告で複数ドメインを1つのアカウントで運用することは可能です。

ただ、その際に注意しなければならない点があります。
それは、1つの広告グループ内には1つのドメインでないと審査落ちするということです。

リスティング広告では、
広告グループという単位で広告文とランディングページを設定します。

このとき、
広告グループ内のすべての広告文とランディングページは、
同じドメインでなければなりません。

もし、異なるドメインを混在させた場合は、審査に通らず、広告が掲載されません。

例えば、
AドメインとBドメインから同じキーワードで広告を出したい場合、
以下のように設定することはできません。

広告グループ1
広告文1:Aドメイン
広告文2:Bドメイン

広告グループ2
広告文3:Aドメイン
広告文4:Bドメイン

このように設定した場合、広告グループ1と2の両方が審査落ちしてしまいます。
これは、広告グループ内の広告文とランディングページが異なるドメインになっているためです。

では、どうすればいいのでしょうか?答えは簡単です。
広告グループを分ければ
複数のドメインが存在していても問題ないのです。

つまり、以下のように設定すればよいのです。

広告グループ1
広告文1:Aドメイン
広告文2:Aドメイン

広告グループ2
広告文3:Bドメイン
広告文4:Bドメイン

このように設定した場合、広告グループ1と2の両方が審査に通り、広告が掲載されます。
これは、広告グループ内の広告文とランディングページが同じドメインになっているためです。

ですので
1つのアカウントで複数のドメインで運用する際は
この点に注意して、複数ドメインの運用を行ってください。

1つのアカウントで複数ドメインを運用するメリット

それでは1つのアカウントで複数ドメインを運用するメリットはあるのでしょうか?

1つのメリットがあり
それは、管理や分析の手間を減らすことができるということです。

もし、複数ドメインを別々のアカウントで運用する場合は、
それぞれのアカウントにログインして、
キャンペーンや広告グループの作成や編集、予算や入札価格の設定や変更、
パフォーマンスや効果測定の確認や分析などを行わなければなりません。

これは、時間や労力がかかるだけでなく、ミスや漏れも発生しやすくなります。

しかし、複数ドメインを1つのアカウントで運用する場合は、
1つのアカウントにログインするだけで、これらの作業を行うことができます。

これは、時間や労力を節約することにつながります。
また、ミスや漏れも防ぐことができます。

このように労力を減らすことができることが
広告で複数ドメインを1つのアカウントで運用するメリットです。

1つのアカウントで複数ドメインを運用するデメリット

上記のように1つのアカウントで複数ドメインを運用するメリットは存在します。

ですが、
基本的にはおすすめしません。
なぜなら、以下のような問題が発生する可能性が高いからです。

機械学習の混乱を招く

最近のリスティング広告は自動入札が主流ですが
その自動入札の元となっているのが
機械学習です。

そして
1つのアカウントに
複数のジャンルのドメインが存在していると
機械学習の阻害につながることがあります。

どういうことかというと
Google広告では

広告(キーワード単位)
→ 広告グループ単位
→ キャンペーン単位
→ アカウント単位

機械学習が行われます。

まず、
最小の単位として
広告(キーワード単位)で学習が行われ
そこでデータが足りない場合
広告グループ全体のデータを参照するようになり

そこでもデータが足りない場合
キャンペーン全体のデータを参照するようになり

そこでもデータが足りない場合
アカウント全体のデータを参照するようになります。

つまり
データ量が少ない場合に
アカウント全体のデータを参照するようになるので
複数のジャンルが
1つのアカウントに存在していると
異なるジャンルの広告運用のデータが
機械学習されてしまうことになります。

例えば、
Aドメインでは「育毛剤」に関するキーワードを使っているのに、
Bドメインでは「化粧品」に関するキーワードを使っている場合などです。

育毛剤を買うユーザーと
化粧品を買うユーザーでは
行動傾向が大きく異なるはずです。

そのため
育毛剤を買うユーザーの最適情報に合わせて
化粧品の広告を最適化されると
うまくいかないですよね。

このように
1つのアカウントに複数ドメインが存在することで
機械学習が阻害される可能性があるため
おすすめができません。

このデメリットは
コンバージョンを分けるなどで
ある程度回避ができますが
そうはいっても
完全にリスクが0になるわけではないので
おすすめできません。

広告表示機会の損失

それでは
別のジャンルではなく
同じジャンルで広告運用をしていると
1つのアカウントに複数ドメインを運用しても問題ないのでしょうか?

その場合
別の問題が出てきます。

それが
「広告表示機会の損失」です。

どういうことかというと
リスティング広告では
同じキーワードに対して
1つのアカウントでは1つの広告しか出すことができません。

正確には
そのキーワードに対して
最も広告ランクが高い広告が選ばれて表示されるため
同じキーワードで1つの広告しか選ばれない
=1つのアカウントで1つの広告しか同時には表示されない
という仕組みです。

そのため
いくら
1つのアカウントで複数ドメインを運用していたとしても
同じジャンルや同様のキーワードで出稿していた場合
どちらかの広告しか表示されなくなります。

これは
広告の表示機会の損失につながります。

そのため
1つのアカウントに複数ドメインを運用することは
同じジャンルであってもおすすめできません。

管理や分析の手間増加

複数ドメインを1つのアカウントで運用すると、
管理や分析の手間も増える場合があります。

例えば、キャンペーンや広告グループをどう分けるか、
予算や入札価格をどう設定するか、
パフォーマンスや効果測定をどう行うかなどです。

また
Google広告とアナリティクスを連動する場合
そのアナリティクスでも
複数ドメインでの運用の結果が表示されてしまい
分析しづらいこととなります。

そもそも
ドメインを分けているということは
ドメインごとに異なる戦略や目的を設定しているはずです。

ですが
1つのアカウントで運用すると、それらを区別することが難しくなります。

また
異なるドメインの広告費が
1つのアカウントで請求されるため
どちらのドメインで
どれくらい広告費を使ったのかが一目でわかりづらくなり
経理の観点からも管理がしにくいというデメリットもあります。

以上のように、
リスティング広告で複数ドメインを1つのアカウントで運用することは、
多くの問題やリスクを伴います。そのため、私はおすすめしません。

では、どうすればいいのでしょうか?

私のおすすめは、ドメインごとにアカウントを分けることです。

ドメインごとにアカウントを分けることで
それぞれのアカウントで広告を表示されるようになりますし
それぞれのアカウントに応じた広告戦略を展開することもできるようになります。

ですが
同じジャンルを複数アカウントで運用した場合
データが異なるアカウントに分散され
機械学習の阻害につながったり
広告の規約違反につながることがあります。

ですので
そもそも
異なる戦略などがない場合など
なんとなくで
ドメインを分けることはやめておきましょう。

記事のまとめ

このページでは、
リスティング広告で複数ドメインを1つのアカウントで運用することができるのか、
どんなメリットやデメリットがあるのかをお伝えしました。

結論としては、
リスティング広告で複数ドメインを1つのアカウントで運用することは可能ですが
しかし、それはおすすめしません。

機械学習の阻害や広告機会の損失につながるからです。

そのため
そういう場合は
ドメインごとにアカウントを分けることがおすすめですが
同じジャンルを複数アカウントで運用した場合
機械学習の阻害につながったり
広告の規約違反につながることがあります。

ですので
同じジャンルで
特にドメインごとに戦略があるわけでないのであれば
1つのアカウント、1つのドメインで運用することがおすすめです。

この記事があなたのリスティング広告運用に役立てば幸いです。

もし、複数ドメインの運用に関するご相談やご質問がありましたら、
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